「草は勝手に生え、ロボットは勝手に刈る時代」
2028年夏。
庭に草刈り機を持ち出し、汗だくになりながら雑草と格闘するのは、60代の元教師 高橋誠(たかはし・まこと)。
「もう体力的にきついんだよな…」
そんな彼を見かねて、息子の 高橋翔(たかはし・しょう)があるロボットをプレゼントした。
「これが未来の除草革命! 『WeedZero』 だよ、お父さん!」
芝刈り機サイズのAIロボット。庭を自動で巡回し、雑草だけをピンポイントでカットする最先端テクノロジー搭載。
「すごい時代になっただろ?」
翔は得意げに言ったが、誠は疑わしげにロボットを見つめた。
「信用ならん。どうせまともに働かんのだろ。」
「ロボットは ‘難しい場所’ の雑草まで刈れるのか?」
「まあまあ、試してみようよ。」
翔がスイッチを入れると、WeedZeroは静かに動き出し、庭をスキャンし始めた。
- AIカメラ → 雑草と芝生、花を識別
- 土壌センサー → どの植物が成長しすぎているか分析
- 自律ナビゲーション → GPSとLIDARで庭の地形を認識
「へぇ、なかなかやるじゃないか…」
誠が感心した矢先——
WeedZeroが突然停止した。
「…おい、なぜ止まった?」
翔が確認すると、ロボットは庭の 木の根元 や 壁際 で動けなくなっていた。
「この場所は障害物が多すぎるため、作業できません。」
WeedZeroの音声アシストが冷静に告げる。
「ほら見ろ!やっぱりな。機械じゃ ‘庭の難しい場所’ までは対応できんのだ!」
誠は腕を組んで、勝ち誇ったように言った。
翔は焦った。確かに完全な自動化は難しいかもしれない…。
「ロボットが ‘庭の仕上げ’ を任せられない?」
数日後、翔はWeedZeroのデータを調べ、問題点を突き止めた。
「なるほど… ‘庭全体’ の草刈りはできても、壁際や木の根元みたいな ‘細かい作業’ は人間じゃないと難しいのか。」
「だから言ったろ?」
誠は腕を組んで得意げにうなずく。
しかし翔は、「だからこそ共同作業が大事なんだよ」と反論した。
「え?」
「ロボットが ‘庭の8割’ をカバーし、お父さんが ‘2割’ を仕上げる。それなら、体の負担も減るし、作業も効率的になる!」
誠は少し考え込んだ。
確かに、全部ロボットにやらせるのは不安だったが、自分が最後の仕上げをするなら 問題ないかもしれない。
[心と体にちょうどいい庭仕事 〜ロボットが支える、父の時間〜]
翔はWeedZeroの設定を見直し、新たなモードを追加した。
- 「エリア指定モード」 → WeedZeroが開けた場所を刈り、壁際や木の根元を人間用のエリアとして残す
- 「アシスト通知機能」 → ロボットが「この部分は手作業が必要」とスマホに通知
- 「安全誘導システム」 → WeedZeroが人間が作業しやすいように、事前に雑草を短くしておく
「つまり、お父さんが ‘庭の監督’ になって、ロボットと一緒にやるってことか。」
「そう!ロボットは ‘相棒’ なんだよ。」
誠はしぶしぶWeedZeroを再起動した。
数日後——
WeedZeroは庭の 開けたエリアを自動で刈り、誠は 壁際や木の根元などの細かい部分だけを仕上げる 形になった。
誠は草刈りを楽しむ余裕ができ、体への負担も減った。
そして、新しく導入された「アシスト通知機能」では、WeedZeroが**「壁際の雑草が残っています!」と音声で知らせる** ようになった。
「お父さん、ロボットが ‘ここをやってください’ って指示出してるよ!」
「ほう、じゃあ最後は俺の出番だな!」
誠は、壁際の雑草をゆっくりと手で抜きながら、ふと呟いた。
「こういうのが、ちょうどいい ‘庭仕事’ ってやつかもな。」
翔と誠は、WeedZeroを囲んで笑い合った。